うねり

ハンググライダーとパラグライダーで空を飛んで考えたこと

妊婦さんと電車とスマホの話

普段なら家にいない金曜日の夜、昨日は珍しく家にいたので、いつもは録画して見ている番組を観ようとテレビの前へ行った。

いつもと違って何を観るかの選択ができる。勇者ヨシヒコかジョジョか迷う………で、ヨシヒコを観た。
もうやりたい放題だったね。笑った。

さて寝るかと思ったらなにやら続けてドラマが始まった。『吉祥寺だけが住みたい街ですか?』というやつ。なんとなしにそのまま視聴した。
この第2話の主人公役の女優、趣里さんが絶妙にかわいらしかったのでその姿が印象に残った。


さて今日、東京に行くため電車に乗った。
自分はドア正面車両の真ん中あたりに立っていた。ふとドア横座席端にもたれていた女性に目が留まった。
めっちゃ趣里さんに似てる~!
ほえ~と思って気がついた。その女性は妊婦さんだった。
時おり膨らんだお腹に手を当ててさすっている。
穏やかでとても優しい仕草だったので見ててほっこりした。


東京での用事が終わってまた電車に乗った。
今度は運よく座れた。しかも一番端の席。
ふふんと得意気に景色を見ていたら、2駅乗ったところでまた別の妊婦さんが乗ってきた。
行きの電車のこともあったからかすぐ気がついた。

自然に席を譲ろうかなという気になれたので様子を伺っていたのだけれど、その妊婦さん入ってきてすぐドア横の背もたれ空間で落ち着いてしまって、しかもスマホを使っていたから目が合わない。
自分としては声をかけるにはなんとも微妙な距離で、躊躇しているうちに次の駅でたくさんの人が乗ってきて壁を作ってしまった。
自分の降りる駅で電車を振り返ってみると、いつの間にか彼女はいなくなっていた。


彼女は彼女でドア横背もたれ空間で妥協しつつも落ち着けていた様に見えたから、自分の心のモヤモヤはそこまでひどくはない。
ひどくはないけどやっぱり少しモヤモヤしているからこうして文章にしている。

・見知らぬ人に話しかけるなら目を合わせてからがよかった。
・電車のドア横背もたれ空間もたしかに楽な場所である。
・何かに集中しているときにいきなり話しかけられたら警戒するし驚くだろうと思う。(だから目を合わせたかった)

私に芽生えた小さな善意がドア横の空間とスマホによって簡単に潰れたことが残念だったのかもしれない。

妊婦さん、電車、スマホ、席を譲る…そんな言葉がぐるぐる頭を駆けめぐって、駅からの帰り道は渋い顔をしていた。
棒を振り回してはしゃぐ子どもに道をはばまれ歩くペースを落とす。しばらくゆっくり歩いていたが、そのうち少し前を行く歩きスマホの男性が振り返って子どもをたしなめた。
親子だったのか!
ショックだった。
スマホは空間を切り取ってしまうのかもしれない。