安全講習会までの宿題、というより自習
次の文章が送られてきた。
安全講習会までの宿題です。
・長袖着用などの装備関連
・パラシュートの使用方法
・風向きによるコース取り
・各種ソアリングの要領
・偏流や雲底付近での注意点
・付近の地域ポイント名称
・事前確認すべき気象情報
少なくとも一項目について、他の人にわかるよう解説できるようになっておくこと。当日実演してもらいます。
おお~!ジグソー学習だ~!と思った。
適当にグルーピングしてそれぞれの卓で知識を集合させてもいいし、全体で推し進めていってもいいし、とにかくそれぞれの内容を深められそうな講習会になりそうだなぁと思う。講習を受ける側がきちんと準備してくればなおよし。
自分は講習会行かないけど内容には興味があるので勝手に書いてみようと思う。それぞれの項目3つずつ。
ちなみに過去の安講のまとめはこちら
Hang Gliding Japan 学生連盟 安全講習会の記録
・長袖着用などの装備関連
①基本的には動きやすくて皮膚の露出が少なくなる服装。
山沈スタ沈、ボディラン、パラグラハンでのふっ飛ばされ等したときに、皮膚が出ているところが傷だらけになるよ。あと山飛びしてると風が常に当たるから体が冷えるよ。冷えたからだは動きや思考を鈍らせるよ。夏でもなめるな。
手袋が軍手ってのはカッコ悪いし風を通すし緩んでくるとダルダルになるし最悪。
腕時計、してもいいけど大きすぎたり固かったりするのはおすすめしない。手首の動きが大切な乗り物なんだからそれを妨げるような装備はよくない。特に講習生は時計はずせ。転んだ時に手をついてしまうでしょう?そのとき痛ぇぞ。
②季節や状況に合わせて使う。
夏は涼しい服装をしたり水分補給できるバッグにしたりする。冬は体が冷えないように防風防寒対策をしっかり。
大会や遠くに行きたいときで、すこしでも性能をよくしたいならフードはしまえ。バタつく服を着るな。一番外側の服はぴっちりしたものにすれば多少性能が良くなる。
③装備は使い慣れたものが良い。
大会当日はじめてGPSやステーを使って飛んでみました!はダメ。練習しとけよ。使い心地飛び心地違うよ。気合入れて手袋やサングラスをおニューにするのはいいけど慣らしてから使いなさい。
装備を変えるのはひとつずつ。いっぺんにたくさん変えるとよくわからなくなっちゃうよ。
・パラシュートの使用方法
①どうやって使うか。
リパックの前に実際にやってみる。引き出して後ろ下方にブン投げる。投げたらブライダルに掴まっておく。(パラの場合機体を手繰り寄せてまとめておく)
着地時には防御姿勢をとる。頭抱えて顔隠して丸まれ。
②いつ使うか。
操縦不能になったとき。抵抗を増やしたいとき。
③リパックと寿命について。
半年に一回ほどリパックする。リパックすることで緊パラが正しく開きやすくなる、使い方をシミュレーションできる、寿命を確認できる、寿命を延ばす等のメリットがある。緊パラを濡らしてしまった時もリパックした方がいい。くっついちゃう。
緊パラには寿命がある。メーカー基準だと5年、一般フライヤーの認識では保存状態が良ければ10年て感じだった。緊パラは使い捨て(?)。ねとねとした緊パラもダメ。でも詳しくない。
・風向きによるコース取り
①風向きを知る。
雲や煙、飛んでいる機体、その他の情報から風向きや強さを知る。
②TO(今いる場所)からLD(行きたい場所)まで直線を引いて、風上側風下側に分ける。
機体は風下へ押し流されることを考慮して、やや風上方向を意識して飛ぶ。しかし風上方向に山がある場合は注意。あまり風上方向にいくと下降気流があるかもしれない。尾根の風上側を飛ぶと高度ロスが少ない。
山に囲まれた場所は尾根の風下側はローターに、風上側はリフト帯になっていることが多い。尾根の風上側を意識して飛ぶ。
平地では風をさえぎるものがないので山より強くなっている場合がある。できるだけ目的地の風上側に到着するように意識する。
③タスク組んだ場合。
目指すターンポイントとその次のターンポイントが風上にあるのか風下にあるのか確認する。 基本的には風上のTPは低く(てもいい)、風下のTPは高く取るのが定石。
風上から風下に向かうタスクなら、風上のTPを低く取ってもソアリングで上げていけば自然に風下に流されるから、上げきった時にはもう次のTPについていたりする。
風下から風上に向かうときはアゲンストで進まず、高度をかなり使うから高い位置からグライドしたい。ソアリングしてもどんどん風下に流されて目的地からも離れてしまうから、いつどこで上げなきゃいけないかを考えなければならないね。
・各種ソアリングの要領
①リフトを感じる。
リフトを感じるため最も必要なことはには力を抜くこと。つまり飛ぶのに必要最低限の筋肉しか使わないことが大切。
②「予想できるリフト」と「偶然のリフト」について。
リフトには「予想できるリフト」と「偶然のリフト」の2種類がある。
まず「偶然のリフト」について。あると思っていなかった、つまり予想できなかったリフトとの遭遇はよくある。リフトに当たったらまずはソアリングを試みる。そしてそのリフトの原因を探る。何故ここで出会ったのか。なんだこの強さは。その思考が予想できるリフトを増やし、次のフライトで出会えるリフトが増えていく。
③ リフトの予想「原因を探る方法」と「結果を探る方法」について。
原因か結果を探ることでリフトは予想できる。
まずはリフトの原因を探る方法について。リフトの発生には風向きと地形が大きく関係してくる。たとえをちょっと紹介。
・斜面に風が当たると風は上に上がる。→リッジソアリングやサーマルのトリガー探し
・くぼんだ地形には風が集まる。→サーマルのトリガー、吹き抜けの予想
・温かそう/冷たそうなモノ→温度差がある→サーマルのトリガー、下降帯の予想
次にリフトの結果を探る方法について。今あるリフトの中に突っ込んでいくという方法とも言える。
ガーグル > 他の機体がソアリングしている > 他の機体が大きく持ち上げられている > トンビがソアリングしている > 他の機体がステイしている
こんな順に自分がその場所についたときリフトの遭遇があると思っている。もちろんリフトは空気で目には見えない。行ってみてもそのときにはもう移動している、もしくは消え失せているかもしれないけど。
・偏流や雲底付近での注意点
①気象条件から「かもしれないフライト」をする。
偏流飛行しそうなときや雲底が低かったり雲が活発なときは、それなりの気象条件のはず。飛ぶ前に偏流飛行や雲底付近までフライトするかもしれないという予想をしておくと、実際その事象に遭遇した時に焦らずに済むよ。
②偏流飛行をする。
行きたいところを見て機体をわずかに風上方向に向けながら斜めに飛ばす。風下に流されることを考慮して、目的地よりも少し風上を目指して飛ぶことがポイント。
③雲底付近では。
目指すその雲はどんな雲なのか、低いうちから確認しておく。雲底付近だともう見えない。バカでかい雲、特に積乱雲は絶対近づいちゃダメ。雲底がひどく黒いのも要注意。
あとは他機警戒。雲中している機体がいるかもしれない。
最後に雲中してしまった場合について。どの方向に逃げればいいのかは雲中する前から考えておく。基本同じ方向にひたすら逃げる。
・付近の地域ポイント名称
nasa STUDENT CUP 2014 in板敷 エントリー
これのパイロン地図ってところでポイントはわかる。
・事前確認すべき気象情報
①天気図と風向風速予報
当日朝まで見る。
②実測の雨雲レーダー
前日夜から日中。
③目視、エリア周辺の雲や煙
当日朝から飛んで降りるまでずっと。
文章で書くと整理できるけど時間かかるね。
書いてみて不安なのは、風向きとコース取りのところ、特にハングフローターハーネスの場合どう飛べばいいか(自分が経験したことないから特にわからん)ってのと、緊パラの寿命あたりの話。あやふやだ。