1月7日~9日 西富士ジャパンクラシック H-#282,283
ついにハングのポイント大会に出場した。
ずっと自分には手の届かない世界だと思っていたけれど、出るぞと決めて練習してからは案外近いものだと思えるようになった。
そして実際に参加できた。
ワクワクと緊張とが入り混じったような、なんだかごちゃごちゃした気持ちで過ごした3日間だった。
1/7 Day1 Task1
朝本部で受付を済ませるといつもハングを教えてくれる人たちが同じ選手としてそこにいた。
そういう人たちと同じ場所で競えることがすごくうれしかったし、いつもとは違った真剣な顔と緊張感にわくわくした。
テイクオフにはいろんな機体がずらり。
やっぱ大会の雰囲気はいい。適度な緊張感が好きだ。
年明けに練習しに来て本当に良かった。
練習の時に使った装備を丁寧に取り付けて臨むことができた。
ただ今回は①アルファパイロットと②ガーミンの GPS60 と③スマホの XCTrack と④大会側が用意した Livetrack と、4つもロガーがあるので準備もちょっと大変だった。
②が提出用、①がメインのナビゲーション、③と④がサブのロガー。
(①の固定にフライ返しとかしゃもじとか使っている人もいる中、こういうタブレットスタンドにつけてる人もいた。参考にしよう。)
ブリーフィングでは雲底1700~1800mで徐々に渋くなる予報。
それに合わせてタスクは山頂が高い北の山を避けた設定だった。
南北の山と沖を往復して55㎞くらいのタスク。
12時過ぎにテイクオフ。
まだレースの時は時間を気にして飛べていない(つまりレースしてないってことなので実はスタートラインにすら立ててない)ので、1回目のスタート時刻を過ぎてから飛んだ。そうすればいつスタートをしてもかまわないから。
なんか思ったよりも渋そう。
そんな条件だけど先に出た tck が上げて粘ってる。じゃあおれも行けるだろうと安心(失礼)して余裕を感じながら飛べた。
なんとかテイクオフ前で粘れる。パラの空域進入と他機を警戒しながら格闘すること20分、ようやく1500mちょっとまで上げて移動できそうかなと思えるところまできた。
実はこの辺りがこの日のサーマルトップに近く、この条件で移動しなければならなかったらしい。
そんなことはわからなかったが、とにかくテイクオフ前にずっといてもしょうがないし、ちらほら移動している機体も見えたので、尾根の東側をなめながら南下を始めた。
途中パラがいいヒットをしていたので自分もそこに突っ込むがうまく上げきれず、余裕は生まれない。
スタートシリンダーのある尾根と陣馬尾根の間辺りでこのまま進んでいいものか迷う。
高度的には普段なら行かない高さ。だってランディング見えないし普通の滑空比なら帰りに尾根越えられないし……
でも自分より低い高度で先を行く機体がある。尾根の上ならあまり落ちていないように見えた。
ええい!行ったらぁ!わしゃ上げるんじゃ!
上げなきゃ帰れないと思いながらスタートシリンダーに突っ込んだ。
スタートシリンダーを取った。
結果的にはここですぐ引き返しても多分帰れたんだろうけど、尾根の南側でパラのガグルができていた。高度的には(自分では)安心できなかったのでそこに突っ込んで上げなきゃいけないと思っていた。上げられると思っていた。
尾根をギリギリで越えて南側のガグルの一番下へ。
半周上がって半周落ちる…を繰り返す。。。
おや……ちょっとずつ低くなってないかしら……?
10分くらいかけて100m弱落としてしまった。
入ってきた尾根はもう越えられない。仕方ないのでちょっと沖よりの尾根の低いところに逃げる。
もっと上げられない。
やばい、やばいなやばい。
湖近いなぁ、やばい。
半周どころか回した瞬間落ちる、そんなサーマルしかない。サーマルの形がイメージできない。。。
さらに150m弱落としたところで祈るような気持ちでランディング方向へ向かった
なんとかランディング南側の尾根にたどり着いた。ギリギリだった。
その尾根でもちょっとしたリフトはあったけれど上げられず。
あきらめてランディングした。ランディングは無難にできた。
ログ: http://www.xcontest.org/world/en/flights/detail:uflyt2/7.1.2017/03:04
(同期のとーちかと合わせたバージョン:
Air Buddies :: XContest- biggest worldwide online paragliding & hanggliding contest
とーちかも大体同じような高度で進んでたが、判断がおれと違う)
Task1成績: http://www.hangpara.jp/hgc/18compe/2017/2017NishifujiJC/2017NishifujiJC_task1.html
ん~~~~~悔しい!
・風を感じる力が弱い!
風向きの変化や強さ、サーマルの流され方がわかってない!
・サーマルトップの見切りが弱い!
予報より弱くなるなんてわかるかぁ!何を根拠にしてるんだ!
・上げが下手!
明らかですね!!!
・コース取りの根拠が弱い!
直感でしかない。説明できない!
飛んでた時のことを考えると今回のフライトは自分の実力を出し切った感じはある。
判断、ソアリング、グライドのコース取りなどなど、もうほんと実力通りだし本気の本気100%。
多少リスクを背負ったフライトだったけど無事にランディングできたのはよかった。ただ余裕はなかったのでそれは反省点だな。
フライトの後、唯一(幻の)ゴールを決めた板さんやO田さんなんかと何を考えていたのかを聞けてすごく勉強になった。
夜もいろんな人と飛びの話ができてすごく楽しかったしためになった。
・サーマルは思ったよりもパワーある。
+1m/sというリフトに出会ったとして、実際そのリフトは+1m/s以上の力を持っている。一周毎にベストなバンクとピッチとスピードを探ってやることで、+1.1m/sにも+1.2m/sにもしていける。無駄な挙動を極力減らす。
・風向きを敏感に感じ、地形を理解して組み合わせる。
リッジソアリングはすべての基本。風向きを感じて地形の影響を考慮してリフトを探す。根拠を持つ。
・参考にしたかったら上手い人より先に出て待つ。上手い人に突っ込む。
先に出なきゃ置いて行かれる。先に出て待って、上手い人が来たら同じリフトでガグルを作る。技術や判断を学ぶ。同じ場所にいられたらあとで話を聞ける。
・レースするならスタート時間までは空中で待機する。
スタート時間までに降りてしまうようなコンディションではそもそも競技にならないし、みんなが待機できるようなコンディションなのに降りてしまうようではそもそもの技量が足りてない。スタート後の展開を有利にするためにもできるだけ長く周辺を探るように待機すべし。
・上り斜面はロケット気味でも大丈夫。
ロケットフレアでも斜面があるので対地はそんなに高くならない。
・経験は強い。
経験があるから自信をもって判断できる。とにかく飛べ!
1/8 Day2 キャンセル
浅間大社でお参り。神楽を見た。
帰りに大雪。
1/9 Day3 Task2(不成立)
北の山の南側斜面に、強い北風によってできたと思われる、信じられないくらい滑らかな傘雲が出ていたので絶対飛びたくないと思っていたのだけど、組んだら飛びたくなった。
めちゃくちゃ怪しいコンディション。
北西強めの本流が南風とのコンバージェンスで場の風は弱い。
激渋予想。
35㎞くらいのノミナルディスタンスぎりぎりのタスク。
日照も少ない。
ぶっ飛んだ。
前の人の様子を見て上がるかも?なところを一通り探ってみたけどほぼスカ。
最後に少しリフトはあったけど上げられず。。。
ランディングは微風だったので広くアプローチできる南側からの進入(北風アプローチ)をしたら驚かれた。(ランディング自体はとてもきれいだった)
たしかにそう言われてみればそうだと思ったのが、「全体的に南風っぽいだろう(前の人も南風アプローチ)」「迷ったら上り斜面方向になるようにした方がいい(つまり南風アプローチ)」の2点。
じゃあなんで北風アプローチだったか。
900mくらいまでは北風っぽかったと思うのと、広くアプローチを取りたかったからという2つの理由があった。
風向きに迷うくらい微風ならどうとでも降ろせる自信もあったので実行した。
反省すべきは2つ。
やっぱりフォローの方がリスクはあるのでできる限りアゲンストで進入すべきだった。降ろせる自信が風向きの変化に疎くしているのかもしれない。「こう!」と決めてからはしっかりスピードつけて進入したのでランディング自体はうまくいった。そこに至るまでの判断をもっと慎重にならなければ。。。
もう一つは単純で、もう少し VG 引いとけばよかったなということ。
そんなこんなでとっても不完全燃焼な感じで競技は終わった。
ログ: http://www.xcontest.org/world/en/flights/detail:uflyt2/9.1.2017/04:11
総合成績: http://www.hangpara.jp/hgc/18compe/2017/2017NishifujiJC/2017NishifujiJC_overall.html
楽しかったけど悔しさの方が大きい。
うまくなりてぇな。ほんと。
(帰り道、とーちかと話してて得た気づき。
テイクオフもランディングも、できる限りギリギリまで足が地面と近い方がいい。
テイクオフでは「あと一歩」が必要になることがあるし、ランディングでは早く地面と接触できるようにした方がいいと思うから。要は体が寝ていてはいけないという話ですね。)