2月28日~3月3日 全日本パラグライダー学生選手権 in 足尾 P-#148~151(後編)
3月2日 Day3 キャンセル
昼過ぎから雨。北風ベースだったけど朝一本は飛べたと思う。
もし参加した選手が全員自分だったら「テイクオフで待たせてくれ」だの「集合時間を早めろ」だの言ってると思う。まぁ競技としてキャンセルになるのは状況的に仕様がないにせよ、おれは基本飛びたいのでそういうことを思っていた。ちょっとでも飛ぶ確率を上げるならそうじゃない?
二日酔いの影響でキャンセルしている人もちらほらいた。レセプは交流が目的であって酔うのが目的じゃないってもう 1000 回くらい思ってるし 4 回くらい人に言った。少なくとも競技で飛びに来ているのなら。
楽しく集まってついでにフライトする、くらいのテンションならそういうイベントを別にできたらいいなと思う。2つしかない公認大会なんだから、もう少し競技志向でも、もう少し飛びが中心でもいいじゃない。
競技がなくなったので座学になった。
龍門方式で 2nd クラスと Exp クラスで分かれて座学を提案した。Exp クラスの議題は初日と2日目のフライトについて。
非常に勉強になった。
●「迷ったらステイ」
●キープハイ。500m 以下にしない。理想は 800m から雲底の間で移動。
●シリンダーは風上側から取る。
●サーマルは風上側から離脱する。
●競技では ①いかに早く上げるか、②効率よく飛ぶか、が大切。
●ソアリングは一周一周が勝負。同じ風はない、次の違う風がどんどん来る。
●タスクの決め方。雲底の高さ、気温減率の良さ、平均時速を予想、使える時間帯。
●足尾では、北風っぽいとき上空が寒く気温差が大きいので、周期の短い小さくて強いサーマル。南風っぽいとき全体が暖かく気温差が小さいので、周期の長い大きくて弱いサーマルになる。
●北風っぽいときは海風っぽい。海風は層が薄い(体感で 300m くらい)ので逆転層によってふたがされる。サーマルの終わりが早い。足尾の東から来る海風は寒流だから冷たい。
●サーマルは障害物。だからリッジもかかるしローターもある。強いサーマルなら風上側でコアとリッジが混ざったような強いリフトになる。
● +1m/s の上昇を感じられるならそのリフトはたとえば +3m/s 以上のような力がある。丁寧に機体を操作してより効率よく上昇を引き出す。
● 気象庁|過去の気象データ検索 で「10 分ごとの値を表示」を見てみると、サーマルの周期がわかる。サーマルが出ると地表の気温が下がる。
●足尾の北東に位置する笠間は、海風が早く入ってくるので足尾よりもサーマルのピークが早く終わる。その差は 30 分くらい?
などなど。
座学の後は Exp の選手で固まって動いてた。楽しかったな。
3月3日 Day4 キャンセル
予報通り南西風。これも朝一ならメインから飛べた。自分が 2nd の選手だったら…。
競技は東側で行うので Exp はキャンセル確定でフリーフライト。
昨日からほぼそのつもりだったのでスペシャルタスクで飛ぶ。
選手の一人が西側のウェイポイントファイルを持っていたので、それを使って幻の Task3 を行ったのだ!
「nasa の西の TO が wpt ファイルにないので足尾山頂で代理」「宇都宮とったって言いたい」「昼に近づくにつれて強風になる」「ということはサーマルの弱い時間に一本が勝負」というわけで上記のタスクになった。
半分冗談だったが、 10:30 スタートの結構絶妙なタスク。この時間の西はサーマルの出始めでまとまり切らない上に弱く、上げるのが難しい。SSS の宇都宮 46km シリンダーは加波山南西方向からズバッと出ており、絶妙にぶっ飛びではいけないところにある。
Flight detail : masa ue - 3.3.2017 - VP - 2.68 km :: XContest.org - world of XC paragliding
ぶっ飛んだ!
もうちょい待つべきだったかな。でも選手の一人は上げていたからたぶんぎりぎりまわれたかも。う~ん悔しい楽しい!
そのあとはハイクアップで3時間かけて山を越え、下った。
総合の結果は悔しいのただ一言。
今回のハングとパラの 2 連戦は非常に刺激的で楽しかった。
曲がりなりにもレースに出るようになって 3 年目、自分の成長を感じる。理論が実感できるくらいにできるようになってきた。
「雲(の影)を見て飛ぶ」「風下 TP に向かうときに上げ、風上 TP に向かうときは進む」「タスクの進め方のシミュレーション」などなど。
はぁ~楽しかった!