わたしのりれき:ドラッグストアで働いていた
宿題として渡された本に「自分の仕事を形に残してみては?」というような提案があった。
徒然としていることもあり、書いてみることにした。
とりあえず書けそうなものをだらだらと。
まずは約 5 年働いたドラッグストアでのアルバイトについて。
目次
1.どんな仕事?
●レジ打ちと品出しが主な仕事。
●クーポン作ったり顧客名簿を整理したり事務作業をしたりすることもあった。
●直接薬の案内をするわけではない(資格の無い者が案内をしてはいけない)が市販の薬については詳しくなった。
おれが働いていたところでは薬剤師もしくは登録販売者の資格を持ったスタッフと、資格を持っていないアルバイトとが、それぞれ 2 人ずつくらいでシフトを組んでいた。
基本は休憩込みの 9 時間ずつ、早番と遅番に分かれている。
お客さんとレジを気にしつつ、店内をきれいにしていくのがアルバイトの仕事。
処方箋が無くても買える市販薬(OTC 医薬品とも言う。Over The Counter)にはリスクに応じた区分があって、そのうち登録販売者でも扱える第 2 類医薬品までの商品をおれのところでは扱っていた。
(ちなみに薬剤師はよりリスクの高い第 1 類医薬品(たとえば「ガスター10」とか)を扱うことができる。詳しくは OTC医薬品の販売方法について 上手なセルフメディケーション OTC医薬品協会 で。)
お店の特色は大きく2つ。
オフィス街にあったのでサラリーマン向けの商品に力を入れていたということと、
各種化粧品にも力を入れていたということ。
店舗スペースは非常に限られていたから、シーズン商品や売れる商品を優先的に置いていく。
2.仕事を通して得たもの
●セルフメディケーション能力
●「働いてお金を稼ぐ」体験
●お化粧はすごいということ
仕事の合間に資格を持ったスタッフさんから、薬やその成分についての話を聞いたり、お客さんに説明している内容を横で聞いたりしていたから、市販薬についてはかなり詳しくなった。
ドラッグストアで売られている薬は限られているので、相談内容に対する返答もある程度パターン化されている。なので 3 年目くらいからはお客さんから相談されたときも頭の中には答えが浮かんでいたりした(でも下手なことは言えないので専門家に案内する)。
これが役に立ったのは自分に対して。
ドラッグストアで働く前は「クスリに頼るなんて邪道!貧弱!」と思っていた。
でも働いてからは「第一は食と睡眠。薬は補助してくれるもので、体が弱り切る前にためらわずに使うのが大切。」という考えに変わった。
得た知識をもとに、適切な薬を適切なタイミングで服用するとあら不思議、健康。
これがセルフメディケーション。
もちろん市販薬じゃなんとかできない事例なんかもあるけれど、自分で自分の体調管理ができてその精度を高められたってのがよかった。
3.思い出
このバイトが初めての長期バイトだった。
社会人であるお客さんや経験豊富なスタッフさんたちと接しながら働き方を覚えていった。「働いて、お金を貰う」その大変さや責任や楽しさなんかも知ることができた。
でも、とにかくこのバイトについて絶対に書き残して置きたいことはひとつだけ。
それは最初の面接のとき、面接官(実は会長だった)に言われたこと。
「雇う私たちと雇われるあなた、それぞれの満足感が 6 割以上なら良し。」
目からウロコだった。
自分も雇う側や仕事を評価していいんだということと、6 割の満足感でいいんだということに驚いた。
6 割の満足感ってたぶん「まぁいいか」ってくらいの満足感だと思うけど、でもお互い頑張らないと達成できない満足感でもある。ちょうどいい。
完璧でなくてもいい、自分ができるところをがんばるっていう働き方ができたいい環境だった。だから自分の都合でやめるまで 5 年も働けたんだと思う。
おれが働くときは今でもこの言葉が指針になっている。
まぁあとはいろんなお客さんがいたなぁということ。
女性は化粧品もそうだけど、セルフケアをきちんとしている人が多いなと思った。
尊敬する。女性は女性ってだけできれいなもんだと思っていたけどそうじゃない。裏でこういう努力、というか手間をかけているんだ。
……ってことに気がついたのもドラッグストアで働いてから。
同じようにセルフケアをしている男性も結構いて、自分もちゃんとせにゃなぁと考えるきっかけにもなったのです。
つまり!
より広い意味での健康への意識と、「働いてお金をもらう」方法を学んだのでした。